小松原織香『当事者は嘘をつく』
1,800円+税
(筑摩書房、2022年1月刊)
頁数も文字数も多くなくて、文体も平易なのですが、生半可な気持ちでは読めない本。自らの経験を言葉にして、伝えること。その重みが痛いほど伝わってくる、ものすごく力のある一冊です。
==========
(版元紹介より)
「私の話を信じてほしい」
哲学研究者の著者は、傷を抱えて生きていくためにテキストと格闘する。
ジャック・デリダ、ジュディス・ハーマン、田中美津、渡辺京二らのテキストを参照しつつ、
新しい語りの型を差し出そうとする試み。
自身の被害の経験を丸ごと描いた学術ノンフィクション。
性被害ほど定型的に語られてきたものはない。かねがねそれでは足りない、届かないという思いを抱いてきた。本書には、当事者と研究者、嘘かほんとうかをめぐって幾層にも考え抜き、苦しみ格闘したプロセスが描かれている。これこそ私が待っていた一冊である。
――信田さよ子