小池真幸『偏りながら、ひらきたい──書店(など)制作記』(bookpond、2026年8月刊)
開店1周年のタイミングで、bookpondから店主・小池の本を出しました。一言でいえば、bookpondというお店を開き、営んでいく中での試行錯誤、さらにその中で醸成されてきた自分なりの「書店」についての考えをまとめた本です。書店や出版・メディア、場づくりに興味がある方はもちろん、この時代において「リベラル」であることに興味がある人、そしてシンプルにbookpondを応援したいと思ってくださっているみなさんにとって、何らかの示唆や気づきをお渡しできる本になっていたら本望です。
大きく分けて、本は以下のような三部構成になっています。
・冒頭の「少し長めのまえがき」では、筆者が書店を一年間手探りで営む中で醸成されてきた、自分なりの書店論が、少し硬めの文体で書かれています。bookpondというお店を営むうえでのステートメントのような内容にもなっていて、書店についてちょっと抽象的な視点から、ちょっとだけ眉間に皺を寄せて書かれた文章です。
・本編でもある「書店(など)制作記」では、2025年1月から2025年7月の開業までの半年間、毎週、走りながら書いていたリアルタイムの制作日誌が全編収録されています。文字数こそそれなりにありますが、noteで書いていたこともあり、気軽に読める文章になっていると思います。
・そして最後の「続・書店(など)制作記」では、実際にbookpondというお店を一年間営む中で見えてきた、手応えや課題感について綴っています。文字数も少なめ、分量もそう多くないので、ここも気軽に読めると思います。
執筆と編集は店主の小池が、ブックデザインは尊敬するKehai Studioの平山みな美さんにお願いしました。
書店さんをはじめとした小売店への卸売も行っておりますので、お取り扱いいただける店舗様は、下記のご発注フォームより条件などをご確認のうえ、お申込みいただけますと幸いです。(できるだけ多くの書店さんに置いていただけたらと思っており、6掛/1冊からで卸売させていただきます。見本のゲラPDFなどもお送りできますので、お気軽にご相談ください)
https://forms.gle/t9UvuvwEn3PXaBMj8
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■タイトル
『偏りながら、ひらきたい──書店(など)制作記』
■定価
2,500円(税込)
■判型・仕様
四六判・並製・本文192ページ
■発行日
2026年8月31日
■著者
小池真幸(bookpond店主)
編集者。書店など「bookpond」店主。人文系を中心に、ウェブメディアから紙媒体、イベントから学びの場まで幅広くメディアづくりを営んでいます。1993年、神奈川県川崎市麻生区生まれ。
■ブックデザイン
平山みな美(Kehai Studio)
■印刷・製本
藤原印刷
■発行
bookpond
■概要
「偏った」本棚は、ひらかれた場になりうるか? 資金繰りに、物件に、クラファンに、選書に、施工に——二〇二五年七月、横浜・白楽にオープンした書店(など)「bookpond」。開業までのありとあらゆる試行錯誤の軌跡とその後、そして「いま書店は必要か?」という問いに向きあった書き下ろしの書店論を含む、手探りの制作記。
■目次
・はじめに
・少し長めのまえがき「書店」と「リベラル」をめぐる試論
1 独立系書店は「リベラル」か?
差別の温床としての書店?/「ヘイト本」という問題/希望としての「独立系書店」/「リベラル」という価値観/独立系書店の「選民性」という問題/サードプレイスがもたらす排除/マーケットを広げるために
2 書店が好きだったわけではない
思い出の希薄さ/インターネットとチェーンストアがもたらしたもの/「偶然の出会い」と「気楽さ」/予想外の変容は「リベラル」な空間でこそ起こる
3 「選民性」のバブルを破るために
「変身」が起こるとき/「世界のマップを更新する」ということ/読書は「変身」を引き起こすのか?/「勉強」をやめないこと、あるいはリベラル・アイロニストであること
4 「リベラル」な書店の設計論
「変身の継続」はいかにして設計しうるか?/(1)本屋「以外」の目的を、できるだけ多様につくる/(2)人やコミュニティではなく「事物」を最上位に置く/(3)「正しくなさ」に自覚的であり続ける/よい「ビオトープ」をつくる
・書店(など)制作記 2025年1月〜2025年7月
#1 行きつけのブックカフェ跡地を引き継ぐ。そして初めての融資/#2 思わぬ反響。そして「空間デザイン」問題/#3 クラファン準備、庭の話、わかめしゃぶしゃぶ/#4 これからの「横浜」の面白さって? 野毛、そして高層ビルの42階から考える/#5 「空間デザイン」パートナー決定。そしてソウルへ/【番外編】韓国の書店ではいま何が起きているのか? ソウルの独立系書店をたずねて/#6 スケジュール・資金計画の見直し。そして契約スタート/#7 驚愕のミス。そして嬉しい相談/#8 「店名」がぜんぜん決まらない/#9 空間デザイン初案。そして追加融資/#10 「店名」問題に出口? そしてクラファン開始目前/#11 空間デザイン第2案、そしてクラファン開始6日前/#12 クラファン開始。「持続可能」を実現するために/#13 生みの苦しみの楽しみ。白楽の案内活動/#14 友人、大工さん。そしてネクストゴール挑戦へ/#15 選書・企画の苦しみの中に潜る/#16 ローカルPodcast、食品衛生責任者、ラスト弘明寺/#17 祝・はるや長崎新店オープン。エクストリーム誕生日、珈琲の相談/#18 クラファン終了目前。ロゴ(ほぼ)完成、珈琲修行/#19 店名・ロゴ・SNSアカウント公開。クラファン成功に深謝/#20 選書が楽しい、でもイベントの企画が決めきれない/#21 本の市出店、工事開始。そして正式オープン日決定/#22 選書の沼、順調な工事、ブックコンシェルジュ/#23 西荻窪、工事ほぼ完了、そして体調を崩す/#24 選書大詰め、初回イベント決定/#25 選書・発注ほぼ完了。しかしやるべきことは無限/#26 プレオープン終了。正式オープン3日前/#27 正式オープン、そして日常の再構築へ
・続・書店(など)制作記 2025年7月〜2026年7月
1 書店──「本を売る」という奥深く、難しい営み
開店1年間で、どんな本が売れたか/「キュレーション」と「売ること」は似て非なるもの/人文書はやっぱり売りづらい/本が売れると「鮮度」が保てる/「お客さんが棚を育てる」は本当だった/「棚貸し」はお店を強力に支えてくれる/「ハレの日の本売り」も効果的
2 喫茶・喫酒──「ひらく」ための重要要素
開店1年で、どんなメニューがよく出たか/「飲みながら」「夜に」読書や作業ができる店の希少性/喫茶・喫酒の「敷居の低さ」/だけどやっぱりカフェは大変/関係構築の塩梅の難しさ
3 イベント──「ハレ」の時間が生み出すもの
開店1年間で開催した公式イベント/トークイベントもビジネスとしてはあまり魅力的ではない/「コラボレーション」や「シリーズもの」の可能性/「本に関係のないイベント」がバブルを破る
4 コワーキングスペース・場所貸し──撤退と試行錯誤
なぜコワーキングスペース機能をつくらなかったか/「場所貸し」の難しさ
5 経営──経済的・物理的な難題をどう乗り越えるか
やはり「書店」というビジネスは難しい/「二足のわらじ」の物理的なしんどさ/「AI時代」で(切実に)よかった
6 まとめ──「続・続」からもっとその先へ
・おわりに