《エッセイスト・生湯葉シホさん推薦》
(2025年8月特集「日常と異界」によせて)
ジャネット・フレイム『潟湖(ラグーン)』
(白水社、2014年11月刊)
「読んでいるこちらが不安になるような語り口で物語は進みますが、文章は非常に美しい。かつて子供時代に感じた不安な気持ちを思い出すかもしれません。気がつくと異界的な場所に迷い込んでしまう、そんなフィクションの魅力に溢れた一冊です」(生湯葉さん)
@chiffon_06
※書店など「bookpond」では、月刊誌の特集のように、月替わりの特集棚コーナーを設置。そしてTALK LIVEのご登壇者様に、その月の特集テーマによせて一冊本をセレクトいただき、推薦コメントとともに販売しています。お取り置きも可能ですので、各種SNSのメッセージや店舗メールアドレスより、お気軽にお問い合わせください。
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(版元紹介より)
祖母の秘密、精神病院での日々、クリスマス・イブの思い出……みずみずしい記憶と懐かしい感覚に満ちた、半自伝的な24の物語。生誕90年、ニュージーランドを代表する作家による珠玉の短篇集。
「引き潮になると水は入江に吸収されて潟湖はなくなる。汚らしい灰色の砂地が広がっているだけで、ところどころに濃い影のように海水がたまっている。水たまりでは、運がよければ蛸の赤ちゃんがみつかるかもしれないし、点々のついた橙色の蟹の古い殻や、沈没したおもちゃのボートの残骸があったりもする。潟湖には橋がかかっていて、そこから下の小さな水たまりをのぞきこむと、海水やイグサや雲の切れはしと一緒くたになった自分の姿が見える。」──「潟湖」より